日本財団 図書館


 

2)Javier Swamp、San Narciso、Victoria(土壌?、写真25、図11)
Malabo Forestと同様、地形図で明らかなように集落のある三角州上位面の微高地と、湖畔の同下位面の湿地の間の、ブッシュ近くの湿地が生息地である。湛水のため生息地の沼沢地と、周囲の水田の境界は確認できなかったが、繁茂するホテイアオイにより生息地(沼沢地)を推測できた。本年1月か2月の現地スタッフの調査で貝の生息が確認されている。土壌の化学的性質もMalabo Forestとほとんど同じ値であった。水のCODは5ppm以下、CaCO3は10ppmであった。
3)San Narciso Forest、San Narciso、Victoria(土壌?、写真26、図11)
標高5m以下の見渡す限りの水田が湛水のため大海原と化していたが、その田と広大な森との間に水嵩の増したクリークがあり、それが生息地であった。車道脇の水路、それに架かる木製の橋、埋め立て・土盛りしコンクリート舗装した田のオーナーの宅地と家屋や、田の端の作業小屋・耕耘機・苗代、また生活用水用に引かれたパイプ、畦畔等から判断すると水田の管理が十分に行われていることが分かる。灌漑水や道路の管理もよく、クリークに到達することができたが、水嵩が増していて貝は発見できなかった。大きな森は湛水していたが、その裏側には地図から判読すると集落があり、本来この森は湿地ではなく、またクリークの幅も2m以下と思われる。今回は通常の土地条件は確認できず、再調査する必要があろう。水のpHは7.30、土壌のpHは6.45、CaOは100−200mg,MgOは190mgと高く、Feは5ppmと低いがMnは25ppmであった。付近の微高地の影響と考えられる。水のCODは4ppm、CaCO3は10ppmであった。
4)Singolan Ricefields、Mabuhay ?、Socorro(土壌?、写真27、図12)
Naujan湖南部の台地上位面の標高80mの国道1号から、湖畔への起伏のある道を下り、標高10m以下のSigulan川の狭長な谷底低地の集落に到達した。集落はこの低地の中にあっても山際の微高地すなわち、谷底との比高2m以上で河岸段丘(台地)化した比較的乾燥した地域に立地する。集落の下流側は水田で、その水路に沿ってよし等の草が繁茂し荒地(水草地)が拡がりボギーが形成されている。今回は水位が高く水が染み出しており貝は採集できなかった。CaOは0mg、MgOは10mgと極端に少なく、Feが2000ppm以上と高く、扇状地あるいは台地性土壌と同様、風化が進んだ土壌である。水のCODは50ppmと高く、CaCO3は10ppmであった。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION